プレスリリース / Pressemitteilungen

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Date: Thursday, 9 May 2024, 3:44 PM

1. 会長挨拶 / Grußwort des JGG-Präsidenten [J]

ニュースレター2023 秋号/JGG-Info-Blatt Herbst 2023より抜粋)


青天の霹靂

このたび202363日開催の理事会で会長に選出されました小黒です。選出はまさに青天の霹靂,事実,私は第40代会長であるばかりではなく,日本独文学会76年の歴史において首都圏以外から初めて選出された会長になります。思い返しますと,20151月に機関誌153号特集編集責任者を仰せつかった後,引き続き文学・文化部門の編集責任者として160号までの編集に携わりました。編集委員会が関門海峡を越えて九州に置かれたことは初めてのことだったと伺っております。あまりにも荷が重かったので,20203月の退任後,学会でのお役目はこれで十分に果たしたと思っておりました。それだけに,会長に選出されましたことは本当に驚きだったのです。ここではそんな私が722日の新理事会冒頭で述べましたことをお伝えさせていただきます。

余人をもって代え難し

当方,理事として企画や機関誌の経験はありますが,学会の実務にあまり通じていません。それだけに「脇を固めろ」という内なる声が聞こえてきたような気がしました。それで,庶務理事を選ぶ際,清野智昭さんと小林和貴子さんにまずはお願いした次第です。会長選挙の決選投票まで候補者としてお残りになられたお二人には,会員の「民意」が反映されています。しかも,清野さんは法人化の経緯を知っている経験豊富な元会長ですし,小林さんはこれまでの議論に通じている前理事会メンバーです。また,太田達也さんも川島建太郎さんも理事会経験が豊富であるばかりではなく,私にとって苦楽を共にできる仲間です。皆さんのご快諾に心より感謝しております。余人をもって代え難し,そんな思いでこの四人に重責をお願いしました。

Klein, aber fein

私は西日本支部と北海道支部の会員でもありますので,地方の視点も踏まえて会長職を考え続けているところです。西日本支部は,1999年にアジア地区ゲルマニスト会議を引き受けた頃から,元気があるとよく言われます。勿論,西日本支部でも会員は減少傾向です。しかし,却って結束が固まり,逆に元気になっているような気がします。理由はいくつかありますが,それは別の機会に話すとし,ここでは一つの逸話を紹介させてください。私が支部選出理事だったとき,学会懇親会について縮小や廃止の意見が理事会で相次ぎました。この事を支部幹事会で伝えたところ,複数の方々が言われたのです。「支部ではたとえ研究発表がなくても懇親会だけはきちんとやりましょう」と。会員の減少を逆転の発想で考えることはできないでしょうか。私はそう考えております。

血行の良い学会

もっとも言うは易く行うは難しです。前理事会は学会活動のスリム化を基本方針とされました。持続可能な学会のためにも,そうしたご対応をしっかりと受け継いでいきます。同時に,コロナ禍で学会運営を行った前理事会とは異なり,新理事会は対面での活動が復活する状況に対応していかなければなりません。加えて,多々ある課題の中でも,支部の活性化とハラスメント宣言の実行化は特に重要です。いずれもしっかりと取り組まなければ,身体論的に言いますと,学会全体の血行が悪くなり,学会の身体機能も一挙に低下してしまいます。特にハラスメントに関しては,前理事会が出された防止宣言を,単なる宣言にならないようにしなければなりません。問題発言があればその場で皆が指摘し合える雰囲気を作っていきたいと思っています。

ご助言とエール

なお,前会長の井出万秀さんには会長引き継ぎの際に色々とご教示をいただきました。最後になりましたが,この場をお借りしまして御礼を申し上げます。また,旧理事会の皆さん,コロナ禍での2年間,本当にご苦労様でした。皆さんの献身的な活動をしっかりと受け継いでいきます。また,私事になりますが,この間,福岡で保阪靖人さんとベルリーンで粂川麻里生さんとそれぞれお会いする機会がありました。私自身が会長職の重責にかなり戸惑っていた時だったので,日本独文学会の活動に精通するお二人からご助言とエールを受け取ることができ,本当に良かったです。有難うございました。皆さんの思いをしっかりと受け止めながら,血行の良い学会運営を実践し,一致協力して持続可能な学会を目指していきたいと思っています。

(会長 小黒康正)

最終更新日時: 2023年 09月 15日(金曜日) 13:30

 


2. 日本学術会議新会員任命拒否についての声明 / Appell bezueglich der Ablehnung der Ernennung der neuen Mitglieder des Japanischen Wissenschaftsrats [J]

菅義偉内閣総理大臣による日本学術会議新会員の任命拒否は,日本学術会議法に定められた学術の独立性を脅かすものであり,日本独文学会理事会は今回の事態を深く憂慮します。

任命拒否の理由の開示と,拒否された6名の任命を求めます。

 ・日本学術会議法第二章第三条

「第三条 日本学術会議は,独立して左の職務を行う。

一 科学に関する重要事項を審議し,その実現を図ること。

二 科学に関する研究の連絡を図り,その能率を向上させること」

 20201017

日本独文学会会長 宮田眞治

最終更新日時: 2023年 09月 15日(金曜日) 13:30

3. ドイツ語教育・学習者の現状に関する調査 / Untersuchung der Lage von Deutschunterricht und Deutschlernenden in Japan

日本独文学会では,2012年および2014年に,日本におけるドイツ語教育の実態調査を実施しました。 

調査報告書は,こちらからダウンロードできます。 

日本語版【教育機関編】 

日本語版【教員・学習者編】

ドイツ語版【教育機関編】

ドイツ語版【教員・学習者編】 

この調査は,全国の教育機関を対象とした調査(全数調査)である第1回調査と,ドイツ語教員を対象とした調査(標本調査)およびドイツ語学習者を対象とした調査(標本調査)を行った第2回調査からなります。第1回調査は2012年11月から12月にかけて,第2回調査は2014年6月から7月にかけて行われました。 

第1回調査の対象は,ドイツ語の授業が開講されている全国の教育機関(大学・短期大学・高等専門学校・高等学校)です。このときの調査では,各教育機関におけるドイツ語履修者数の推計も試みています。 

第2回調査の対象は,全国の教育機関でドイツ語科目を担当している教員154人,およびその教員のクラスでドイツ語を学んでいる学習者3,947人です。 

調査項目は以下の通りです。 

第1回調査【教育機関対象】
学部の系統,ドイツ語を統括する組織について,専任教員の人数,ドイツ語教員の人数,在学者数,外国語学習のウェイト,開講されている外国語科目,ドイツ語科目について,授業以外のドイツ語学習の機会,ドイツ語教員の研修制度,学生に対するドイツ語履修のプロモーション,など。 
第2回調査【教員対象】
教員の所属部署,勤務形態,専門分野,ドイツ語教育歴,ドイツ語圏滞在歴,調査対象クラスの種類,人数,学系,レベル,重点項目,教材,ドイツ語使用状況,授業形態,教室環境,やりがいを感じる要素,教える意欲につながる要素,など。 
第2回調査【学習者対象】
学系,既習言語,ドイツ語資格・検定試験,ドイツ語圏滞在歴,ドイツ語圏の社会・文化への関心,学ぶ理由,学習目標,学ぶ意義,授業に望むもの,学習への興味,履修後の学習継続への意欲,授業環境についての意見,など。
研究・教育にどうぞご活用ください。 

2015年5月

日本独文学会 ドイツ語教育・学習者の現状に関する調査委員会

最終更新日時: 2023年 09月 15日(金曜日) 13:26

4. 会員の研究・教育に関する調査集計結果 / Umfrageergebnisse der JGG-Mitglieder

下の「添付ファイル」をダウンロードしてください。
より詳しいデータは春季研究発表会の学会のInfotischで閲覧に供します。

添付ファイル

Bitte den Anhang (pdf-File) unterladen. 

Die ausführlichen Ergebnisse der Umfrage werden bei der kommenden Frühlingstagung an der Meiji-Universität auf dem Infotisch ausgelegt. 

Anhang

最終更新日時: 2023年 09月 15日(金曜日) 13:30

5. ラジオ外国語講座に関するNHKへの要望書 [J]

要 望 書

日本放送協会御中
 
なかでも,テレビの語学番組が言語ごとの放送時間に関して既に大幅に縮小された現在,ラジオ外国語講座は,多くの学習者にとって,かけがえのない役割を果たし続けています。とくに,熱心に学ぼうとする方々にとって,英語以外でも1日20分週6回の放送があるラジオ講座は,日々の学習のペースメーカーとしても貴重な存在です。聴覚を研ぎ澄まし,音からイメージをふくらませるという特長を持つラジオが,音声を本来の媒体とする言語の習得と修練にとって,テレビとはまた違った意味で貴重なメディアであることも見逃せません。また,とりわけ地方におきましては,ラジオ講座は,教室外で継続的に英語以外の外国語を学ぶための数少ない学習メディアのひとつです。

聴取者は,外国語を大学で学習している学生や仕事で活用されるビジネスマンはじめ,旅行などで知り合った外国人と親交を深めようとする方,外国滞在から帰国しても当該の言語を学び続けたいと考える方,文学や音楽,美術などの関心から趣味で外国語を学ぼうとする方,子どもが外国人と結婚したため言語学習を始める方,また言語によっては旧制高校で接して以来の熱心な愛好家,さらには高校生や中学生にいたるまで,世代や職種を越えた幅広い層にわたっています。

貴協会がラジオで多様な外国語の講座を毎日提供しておられることは,そういった広汎な需要に応える,公共放送ならではのまことに貴重な事業であり,私どもの各学術団体におきましても,貴協会の多大な貢献に感謝申し上げますとともに,番組制作にあたりましては,少なからぬ会員が最大限の協力をさせていただいてまいりました。

そのような中,このたび,英語を除くラジオ外国語講座の縮小が検討されていると聞き及び,深く憂慮いたしております。

上記のような広汎な方々の学習においてこれまでNHKラジオ講座が果たしてこられた大きな役割を考えます時,万が一にも講座が縮小されるようなことがあれば,学習機会が激減し,わが国の外国語学習環境が著しく悪化する事態が生じかねません。仮に放送内容が大幅に縮小されるとするならば,入門編と応用編それぞれの内実が格段に手薄となることでしょう。そうなれば学習到達目標を現在よりも大幅に下げざるを得ず,とりわけ入門編については,その後自分でテクストを読んだり簡単な会話をしたりしてゆくために必要最小限の知識を身につけるにも事欠く状態となることは必定です。また言語学習だけでなく文化などに関する情報を提供するという,重要な機能を果たす余裕もなくなってしまうことでしょう。それでは,外国語学習者が当然抱く期待に応えることが難しくなり,そもそもラジオ講座の存在意義そのものにかかわる事態となることが危惧されてなりません。

言うまでもなく,言語はそれぞれの文化の土台であり,さまざまな言語が広く学ばれることは,社会全体として世界の多様性への目を養う着実かつ有力な道です。英語以外の外国語教育を縮小してゆくならば,世界への視野を狭めることともなりかねません。殊に現今の社会動向を考えますと,進行しつつあるグローバル化の中,かたよらず真に世界に開かれた豊かな文化を築き上げてゆくためには,多くの人が広汎に英語以外の外国語をも学び,さまざまな文化に直接触れてゆくことがきわめて重要であることが,あらためて認識されつつあるところです。また他方では,平均寿命の伸長にともなって,さまざまな形で生涯学習の機会を整えてゆくことが急務となっています。その意味でも,貴協会におかれましては,今後ともこれまで同様の大きな役割を外国語学習において果たし続けていただけますよう,切にお願いしたいと存じます。

視覚をともなって会話状況での言語の運用を習得するのに優れた,テレビによる語学番組の充実とともに,ラジオ講座では,現在開講しておられるすべての外国語について,現状の質的・量的なレベルを維持されることを,心より要望申し上げる次第です。

200745
 
イタリア学会会長 長神 悟
韓国・朝鮮文化研究会会長 吉田光男
中国語教育学会会長 古川 裕
朝鮮語研究会会長 福井 玲
日本イスパニヤ学会会長 高橋覚二
日本中国学会理事長 丸尾常喜
日本中国語学会会長 木村英樹
日本独文学会会長 松浦 純
同ドイツ語教育部会長 三瓶愼一
日本フランス語教育学会会長 立花英裕
日本フランス語フランス文学会会長 塩川徹也
日本ロシア文学会会長 井桁貞義
日本ロマンス語学会会長 富盛伸夫

外国語・外国文化・外国語教育に専門的に関わる立場から,私どもは,日本放送協会が誰でもどこでもアクセスできる公共放送として,永年にわたりテレビ,ラジオ両メディアをとおして外国語学習にとってきわめて大きな役割を果たしてきておられることに,真率な敬意と感謝の念を表するものです。

最終更新日時: 2023年 09月 15日(金曜日) 13:30