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黒姫童話館と子安美知子先生 (M. Horiuchi) [J]

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文学コラム
  投稿日: 2019-6-6 19:16
堀内美江(早稲田大学非常勤講師)
 長く伸びる山の背が、淡い午後の太陽に照らされ、さわやかな風が吹き抜ける6月、早稲田大学名誉教授であり、ミヒャエル・エンデ文学を多様な側面から研究し、紹介した故子安美知子氏を偲んで植えた山桜の若木が、2年目の黒姫の夏を迎えようとしています。
長野県の北、新潟との県境に近い黒姫高原に立つ黒姫童話館は、日本で開催されたミヒャエル・エンデ父子展で展示されたミヒャエル本人の直筆イラストを引き取り、エンデ文学専用の展示室を設ける形で、1991年開館しました。ミヒャエル・エンデの貴重な資料を常設展示している、世界でただ一つの施設です。

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川島隆 (京都大学)
 ずっと不思議だと思っていた絵がある。カフカ『変身』の初版本の表紙を飾るイラストのことだ。ライプツィヒのクルト・ヴォルフ出版社から出ている「最後の審判」シリーズの一環として1915年末に出版された(表記では1916年となっている)この本の表紙では、ナイトガウンを羽織った黒い髪の男が、いかにも絶望したという風情で両手で顔を覆い、隣室に通じるドアからよろよろと離れようとしている。少しだけ開いたドアからのぞいている隣の部屋は真っ暗で、中の様子は何も見えない。

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トーマス・マン没後60年によせて (M. Chida)[J]

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文学コラム
  投稿日: 2015-2-26 16:08
千田まや(和歌山大学)
 教室いっぱいの新入生を前にIch lerne fleißig Deutsch. Deutsch lerne ich fleißig. Fleißig lerne ich Deutsch.と縦に並べて板書し、発音や語順、動詞の語尾に注意を促す時、「また新学期が巡ってきたなあ」と思う。 そして、Wenn ich fleißiger Deutsch gelernt hätte, hätte ich die Prüfung bestanden.と書いて、接続法というラスボスと対面する頃には、1年近くが経っている。その時点で教室に残っている学生たちは、例文のichとは違って十分fleißigな勇者であるから、ほぼ全員が及第する。このお決まりの儀式を長年繰り返してきた私にとって、fleißigという単語には、『魔の山』の永遠のスープのイメージがある――などと書ければカッコイイのだろうが、正直に言うと、この単語には、毎年同じ例文を使い、成長なく1年を過ごした自分の手垢がこびりついているような気がする。

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カネッティの贈りもの(H. Suto)[J]

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文学コラム
  投稿日: 2014-11-12 17:09
須藤温子(日本大学)
 チューリヒ中央図書館一階の小ぎれいなカフェテリアで、わたしはヨハンナさんとお茶を飲もうとしていた。気もそぞろのわたしは財布を忘れ、初対面の彼女に紅茶と「ショコクス」をご馳走してもらうことになった。彼女の名はヨハンナ・カネッティ。今は亡きノーベル文学賞作家の一人娘である。わたしは調査に訪れた町でいきなりエリアス・カネッティ(1905-1994)に借りができてしまった。

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トーマス・マン研究会の人々(S. Sakamoto)[J]

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文学コラム
  投稿日: 2014-10-14 10:14
坂本彩希絵(長崎外国語大学)
「九州トーマス・マン研究会」は2014年1月に第100回を迎えた。会の発足は平成元年。以来年に4回ほどのペースで26年続いている。会場は当番制で、現在では九州大学箱崎キャンパス、同伊都キャンパス、西南学院大学、福岡大学、2周に1回長崎外国語大学で催される。週末の昼下がりに学生のいない静まり返った大学の一室で、論文発表のほか、国内外の重要文献の紹介・批評や、若手会員による学位論文の中間発表などが行われる。また、近年では会員の近況報告も兼ねて、トーマス・マン以外の作家や思想家に関する発表が行なわれることもある。その場合も、リルケ、カフカ、ユンガー兄弟、ブレヒト、バッハマン、バッハオーフェン、カスナー、ボイムラー、ケレーニイ、フェヒナーなど、トーマス・マンに影響を与えた思想家や、同じ時代を生きた作家が扱われることが多い。若手会員が真正面からマン作品を研究する一方で、重鎮は、トーマス・マンが生き、そしてその作品が育まれた土壌を掘り下げることによって、研究会に奥行きを与える、というのが近年の傾向だと言える。つい先日行なわれた第102回研究会でも、第1発表が「『業績の倫理家』トーマス・ブッデンブロークの没落」、第2発表が「エッセイの射程――ルードルフ・カスナー『アベ・ガリアーニ』をめぐって――」であった。

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中村朝子 (上智大学)
 2014年は 第一次世界大戦の勃発から100年になるが、この大戦下では多くの若いドイツ語詩人たちも命を落とした。ゲオルク・トラークル(Georg Trakl 1887-1914)もその一人であった。薬剤師試補としてガリチア地方の戦線に送られたトラークルは、1914年11月3日、クラクフ郊外の小さな町グロデークで激烈な戦闘を体験した数日後、クラクフの野戦病院で隠しもっていたコカインを過剰摂取して死んだ。27歳であった。その直後に遺骸はクラクフの共同墓地に埋葬されたが、11年後に、インスブルック郊外ミューラウの共同墓地に移された。

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犬飼彩乃 (首都大学東京非常勤講師)
2014年5月初旬、ゴールデンウィークを利用してアルノ・シュミット(Arno Schmidt, 1914-1979)の生誕100年記念イベントに出席した。当然ながらドイツにはゴールデンウィークなどないのだが、今年は5月1日のメーデーが木曜日だったこともあり、そこから土日までを自主的に四連休とした人が多かったようだ。生誕100年の各種催しは、すでに一月から盛り上がりを見せているが、この連休には演劇の初演が一つと展覧会のオープニングが二つ続けてあり、多くのシュミット研究者やファンがツェレとその近郊のバルクフェルトに集合した。

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金志成(早稲田大学博士後期課程)
1983年に始まったドイツ現代文学ゼミナール(通称「現文ゼミ」)は、昨年春に記念すべき第60回目を迎え、今回から改まった幹事体制とともに新たなスタートを切りつつある。この節目の威とともにこの場をお借りし、ゼミの周知もかねて、どこまでも一参加者の視点からではあるが、ここ最近の現文ゼミの雰囲気をお伝えできればと思う。

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宮内伸子 (富山大学)
2014年の今年、クリスティアン・モルゲンシュテルンの没後百周年を迎えた。詩集『絞首台の歌』(Galgenlieder)で知られるこのドイツの詩人は、普仏戦争の終結した1871年に生まれ、第一次世界大戦が始まる年の3月に亡くなった。

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大野寿子(東洋大学)
1.グリム年2012年

2012年は、『子どもと家庭のためのメルヒェン集』(Kinder- und Hausmärchen、略称KHM、通称『グリム童話』)第1巻第1版が1812年12月20日に出版されてちょうど200年にあたり、ドイツのとりわけヘッセン州では、グリム兄弟が少年期を過ごしたカッセル、大学に通ったマールブルク等を中心に、老若男女のためのイベントが目白押しだった。たとえばマールブルクでは、「一気に七つも!」(7 auf einen Streich!)という総合テーマのもと、「グリムの小路」と題するグリム兄弟ゆかりの町めぐり地図がリニューアルされ、演劇、音楽、文学、グルメ等数々のイベントが開催された。「一気に七つも!」がKHM20「勇敢なチビの仕立屋」(Das tapfere Schneiderlein)の茶目っ気ある武勇伝から来ていることは周知の事実。さて、このイベントの最たるものは「マールブルクのカエルの王さま、お出かけ中」(Marburger Froschkönig unterwegs)であった。

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