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アジアゲルマニスト会議北京2012(Y. Muroi)[J]

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アジア・ゲルマニスト会議関連
  投稿日: 2012-9-25 16:50
室井禎之(早稲田大学)
2012年8月19日から24日の6日間北京北郊のJiuhua Palace Hotelにて、アジアゲルマニスト会議が開かれた。 „Interlingualität, Interkulturalität und Interdisziplinarität: Grenzerweiterungen der Germanistik“という総合テーマのもと、4つの全体講演、パネルディスカッション、分科会での100を越える研究発表が行われた。日本独文学会からは25名の会員が参加した。そのうち4名が旅費補助を得て参加した。この補助は日本独文学会がDAADに申請して特別に認められたものである。DAADと関係者のご尽力にこの場を借りて深く感謝したい。
会議の中では二つの課題があらためて浮き彫りになった。一つは日・中・韓のゲルマニスティクが置かれている状況の違いである。中国では有利な状況が続いている。中国の独文学会にあたる組織の長であるJia Wenjian氏が開会式に続く全体講演で中国のゲルマニスティクの現状について報告したところによれば、中国ではドイツ語ができる人材に対する需要が旺盛でありゲルマニスティクの専攻課程の新設も盛んに行われているとのことだ(会議では中国の学生・院生が裏方や案内役で活躍していたが、そのドイツ語が見事なことには参加者のだれもが感銘を受けていた)。また、ドイツの大学と提携して、人文系と社会系を統合した形のDoppelabschlussの試みなども紹介された。これに対して、日本と韓国では周知のように、社会的にもまた大学・学校制度改革のなかでもドイツ語の位置づけの相対的な低下が危惧されている。最終日のパネルディスカッション(写真:日本からは清野智昭理事がパネリストとして登壇した)でもこのことが話題になったが、ドイツ語・ドイツ文化の存在感の向上に向けたわれわれの努力が求められていると言えよう。



パネラーからは、ドイツ語母語話者が公的な場面で英語での発言を好むような風潮がまま見られることが指摘され、「ぜひドイツ語で発言してください」とのアピールもなされた。

二点目はアジアで営まれるゲルマニスティクのもつ可能性である。前述のJia氏の次に登壇した前田良三理事(前会長)の全体講演はこの点を深く掘り下げた感銘深いものであった。アジアゲルマニスト会議はその発足当初から、非ドイツ語圏の文化がゲルマニスティクの可能性の拡大に本質的な寄与をなすことができるという認識をもち、それを実践する場である。会議の総括としてのパネルディスカッションでも、文化間の接触・交流がもつ創造性と、自他の認識を深化させる機能をめぐって興味深い議論が展開された。

アジアゲルマニスト会議の大きな意義は、東アジアのゲルマニストたちと個人的に交流できる点にある。実は小生恥ずかしながらアジゲル(と略す)に参加するのは初めてで、出発前はかなり緊張していたのだが、実際に行ってみるとそんな心配は杞憂だったことがすぐにわかった。学問的誠実さと開かれた心をもった各国の研究者たちと気さくに話ができたことは貴重な経験だった。また、アジアゲルマニスト会議の設立にご尽力された木村直司先生から当時のお話を親しく聞かせていただいたのもありがたいことだった。領土問題がマスコミをにぎわせていたことで、帰国後いろいろな人から中国はたいへんだったでしょうときかれたが、会議の中では話題になることもなく、とまどったり、不愉快な思いをするようなことはなかった。私の答えは「よかったですよ」だ。かつて池田紘一先生が「参加せんと分からん」という珠玉の一文を学会ホームページのコラムに寄せられたが、まさに至言と言えよう。

開会式で韓国の代表者から、次回の開催を引き受けるという表明があり、3カ国の協議の場で2016年に韓国で開かれることが確認された。3年ごとの開催の原則からすると1年遅れるのだが、2015年にはIVGが上海で予定されており、それと重ならないようにするために翌年開催としたものだ。その次は2018年または19年に日本の順番となる。ますます多くの方々がアジゲルという場を活用されることを期待する。

室井禎之(早稲田大学)
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