本会について / Über die JGG
1. 会長挨拶/Grußwort des JGG-Präsidenten [J]
(ニュースレター2021 春号/JGG-Info-Blatt Frühling 2021 より抜粋)
会員の皆様,
任期の後半はコロナに振り回されているうちに終わろうとしています。3ゼミは,中止とZoom開催というきわめて変則的な形となり,学会もオンライン開催となりました。そのオンライン学会も,資料と原稿を学会HPに載せて,期間限定で質疑応答をするという形から,オンデマンドとオンラインリアルタイムを並行させる形へ進化していきました。この間,3ゼミ担当理事と実行委員会,学会の担当支部と担当校,企画担当理事,広報担当理事と広報委員会の皆さんには本当にお世話になりました。オンライン開催に関してはかなりのノウハウが蓄積されたと思います。
それにつけても懐かしく思い出されるのは現地で開催された学会と学術会議のことです。本当にずいぶん昔のことのように思えます。2019年10月の成城学会が,現地での最後の学会でした。オンライン独自の良さも明らかになってきましたが,会場を移動しながらいろいろな人たちと出会っていく場の大切さも痛感しています。また,アジア・ゲルマニスト会議もとても貴重な思い出となりました。現在はきわめて制限された状況がつづいていますが,海外との学術交流の拠点として学会が果たすべき役割は今後も重要性を増していくと確信しております。
最初のごあいさつで今理事会の課題として挙げていたものについて,簡単なご報告をさせていただきます。
まず挙げたのが「安定化・スリム化」でした。一般社団法人化に伴い,事務的にこれまでと違うことが数多く出てきて戸惑うことも多かったのですが,一つ一つ問題を解決していくにあたっては,特に庶務担当理事の皆さんにたいへんお世話になりました。財務処理の仕方も大きく変わり,新しい財務・経理の仕組みを立ち上げるにあたっては,会計担当理事に御尽力いただきました。
〈学術情報の発信〉〈人的交流の促進〉〈後進の育成〉に関して学術性を担保しつつスリム化することを目標としたのですが,コロナ対策に追われるなか,この問題に包括的に取り組むとまではいかなかったことは残念です。そんななかでも,理事や委員会の皆さんから,担当部署についてのさまざまなアイディアを出していただきました。また会議をオンライン化することによりかなりの額の交通費が節約されるようになりましたが,コロナがなければこうした形のスリム化は思いもよらなかったことでした。ただ,会員の減少等を見据えた活動形態の具体的な見直しという課題は残っています。その一つとして機関誌のありかたについては,担当理事のご尽力により,アンケートを踏まえながら,大きな方向性を次期理事会に引き継ぐことができるのではないかと思います。
「学会の事業に携わってくださっている方々で,なにかつらい思いをされることがあったとしても,いまはそれを申し立てる場所がない,なにか手段を講じるべきではないか」というデリケートな問題も検討課題としました。これについては,現在ハラスメントワーキンググループで集中的な議論がなされているところです。機関誌アンケートと同じく,ワーキンググループのアンケートにも多くの回答をお寄せいただきました。会員の皆様のご協力に御礼申し上げます。
また,「学会の社会的責任」に関して態度表明を迫られることもあるのではないか,との予想は「学術会議」問題という形で現実のものとなりました。理事会で真剣に討議していただき,その議論を踏まえ,理事会と会長を意思表明の主体としての声明文といたしました。その後,問題は解決されるにはいたっておりません。
最後になりますが,学会HPがすっかり様変わりしたことにお気づきのことと思います。これは表だけの変化ではなく,サーバーの移行という目に見えない部分での大きな作業を伴ったものです。コロナ禍での告知量の増加,オンライン会議・学会と業務が重なるなか,広報担当理事と広報委員会の皆さんには本当に大変なお仕事に当たっていただきました。機関誌,3ゼミ論集のJ-STAGEでの公開や研究叢書のオンライン化についてもさまざまな改善が施され,データベースの移行も本格的な作業にかかろうとしています。
いろいろなことが,大きな変化を遂げました。理事会と各種委員会の皆さん,そして会員の皆様に支えられ,なんとかやってまいりました。これまでのご協力にあらためて御礼申し上げ,独文学会へのさらなるお力添えをお願いしつつ,ご挨拶とさせていただきます。
宮田 眞治(前会長)