第40回語学ゼミナールのお知らせ
第40回語学ゼミナールのお知らせ

2012年3月10日


日本独文学会第40回語学ゼミナールを以下の要領で開催いたします。
今回は生成文法,語用論さらに言語哲学の分野で精力的に研究を進めていらっしゃる,フランクフルト大学のGünther Grewendorf教授を招待講師として迎え,「ゲルマニストのための生成統語論 ― ドイツ語分析にとっての理論の有用性」という総合テーマのもとでご講演をいただき,議論を深めていきたいと考えております。ともすれば難解なイメージが先行し,敬遠されがちな生成文法を,その基本的な理念や枠組みから分かり易く導入していただきます。本ゼミナールではとりわけ,生成文法の理論がドイツ語という言語事実の記述にどのように力を発揮するかという,我々ゲルマニストに共通の問題を取り上げていただきます。ゼミナールでは上記テーマへの一般的な導入も取り入れて,さまざまな関心を持つ研究者の交流の場にしたいと考えています。皆様の御参加をお待ち申し上げます。

1. 総合テーマ „Generative Syntax für Germanisten – zur Nützlichkeit der Theorie für die Analyse des Deutschen“
2. 招待講師 Professor Dr. Günther Grewendorf (Goethe-Universität Frankfurt am Main, Fachbereich Neuere Philologien, Institut für Linguistik)
http://web.uni-frankfurt.de/fb10/grewendorf/
3. 期日 2012年8月28日(火)~8月31日(金) 3泊4日
4. 会場 生産性国際交流センター(湘南国際村内)
〒240-0115 神奈川県三浦郡葉山町湘南国際村
TEL 046-858-2900
5. 定員 40名
6. 参加費 3万6千円(学生,非常勤講師の方には若干の旅費補助があります。又,学生の方には若干の参加費補助も検討しております)
7. 参加申込 以下の点を明記の上narita_AT_tufs.ac.jp宛にメールでお申し込みください。
1)氏名(漢字・ローマ字),2)住所(漢字・ローマ字),
3)電話番号(あればFax番号も)4)E-Mailアドレス,
5)所属と現職(常勤・非常勤・院生・学部生の別),
6)性別,7)喫煙・非喫煙の別
メールの件名は「語学ゼミ参加申込(氏名)」としてください
8. 締切 2012年6月15日

ゼミナールでは,Grewendorf教授による以下のテーマの講演が予定されています。
a) Die topologische Struktur
b) Die Phrasenstruktur
c) Die linke Satzperipherie
講演a) Die topologische Struktur では,ドイツ語のいわゆる枠構造を中心に,経験的なデータに基づいて考察します。具体的には,定動詞第2位(Verb-Zweit),文頭配置(Vorfeldbesetzung),中域語順(Mittelfeld)などに見られるドイツ語の語順の特性を扱います。講演b) Die Phrasenstrukturでは自由語順(freie Wortstellung)などドイツ語文構造の中域の特性を見た上で,これを生成文法の道具立てでいかに分析できるかを示します。講演c) Die linke Satzperipherieでは話題化(Topikalisierung)や自由テーマ(Freies Thema)など,文の情報構造という語用論的側面とも密接に関連する文の「左周辺部」を取り上げ,これを生成文法で提案されている統語構造によって分析します。

* 研究発表(ドイツ語)を希望される方は,参加申し込みメールに「研究発表希望」と記し,発表題目をお書き添えの上,ドイツ語で250語程度の発表要旨をワードファイルで添付してください(ワードをお使いにならない方はご相談ください)。発表者の決定は委員会に御一任ください。参加者および発表者決定の後に,より詳細な発表要旨の提出をお願いしたいと考えております。

* 参加者の最終的な決定は,日本独文学会理事会に御一任ください。参加決定のお知らせは7月上旬に発送の予定です。

* 併せてゼミナール後の講演の開催希望を募ります。現時点ではGrewendorf教授から以下の講演テーマが提案されていますが,その他のテーマもご提案ください。
d) Zur Typologie der w-Bewegung
e) Relativsätze im Deutschen
f) Zur Typologie von Verb-Zweit Sprachen
g) Rekomplementierung
h) Sprache als Organ (Chomsky) vs. Sprache als Lebensform (Wittgenstein)

* Grewendorf教授の研究領域については下に挙げる同教授のウェブサイトをご参照になるか,実行委員会にご照会ください。御希望の方は,参加申込み締切日の2012年6月15日までに実行委員会までご連絡ください。
http://web.uni-frankfurt.de/fb10/grewendorf/

* 講演会場までの交通費と開催地での御世話を講演会主催者に御負担いただく場合もあります。詳細はゼミナール実行委員会にご相談ください。なお,講演会開催と講演テーマの最終決定は,ゼミナール実行委員会に御一任ください。

日本独文学会・語学ゼミナール実行委員会
稲葉治朗,高橋亮介,竹内義晴,田中 愼,田中雅敏,谷澤優子,筒井友弥,成田 節(実行委員長),宮下博幸,山下 仁
問合せ先:成田 節(narita_AT_tufs.ac.jp