<「社会と行為から見たドイツ語」研究会(SPG)>第19回研究会のご案内
「社会と行為から見たドイツ語」研究会
(SPG-SocioPragmatica Germanica)
第19回研究会のご案内


下記の要領にて、上記研究会を開催いたします。
ご関心のおありの方は、ぜひご参加下さいますようご案内申し上げます。

                 

日時: 2012年 3月31日(土)、14:40 – 17:40
場所: 学習院大学  中央教育研究棟 507教室
(JR目白駅下車徒歩1分、地下鉄副都心線雑司が谷駅下車徒歩10分)

キャンパス地図をご参照下さい:
http://www.gakushuin.ac.jp/mejiro.html
プログラム (内容に関しては下記の要旨を参照):

 14:40- 芹澤円 (学習院大学大学院 博士課程前期):
     「ドイツ最古の週刊新聞(1609年)の言語的特徴
     ―口語性から文語性への進展」

 16:00- 休憩

 16:20- 板倉歌 (日本大学)
      「ドイツ語の話法の助動詞の意味分布について
       ―wollenとsollenの場合―」

お問い合わせは、下記世話人まで

高田博行(学習院大学) hiroyuki.takada_AT_gakushuin.ac.jp
渡辺 学(学習院大学) manabu.watanabe_AT_gakushuin.ac.jp
[_AT_は@]

【発表要旨】

芹澤円: ドイツ最古の週刊新聞(1609年)の言語的特徴
―口語性から文語性への進展

ドイツは新聞史上ヨーロッパ諸国における先進国とされ、1609年には "Aviso" や "Relation" とよばれるドイツ最古の週刊新聞が早くも登場していた。 Demske-Neumann(1996)によれば、この週刊新聞のテクストにはとりわけ名詞文体、受動態の多用、「数珠つなぎ複合文」(abperlendes Satzgefüge)の多用という言語的特徴があるという。はたしてこのような文語的な特徴は、17世紀の週刊新聞になって顕著になったものであろうか、それとも16世紀の(新聞の前身とみなされている)報道的印刷物にすでに見られたものであろうか?本発表では、17世紀初頭の週刊新聞と16世紀中期に流布した報道印刷物(今回は2つの印刷ビラ)とを比較して、約半世紀の間に報道的テクストの文語性が強まったと言えるかについて考察する。比較に際しては、Ágel/Hennig(2006)の口語性測定モデルを援用し、口語性・文語性を数値化する方法を採る。

板倉歌: ドイツ語の話法の助動詞の意味分布について
    ―wollenとsollenの場合―

本発表は、ドイツ語の話法の助動詞の意味分布に関するものである。今回はwollenとsollenを取り上げ、特にこれらの助動詞が完了不定詞と結びついた構文に注目する。

(1) Er will glücklich gewesen sein.
(2) Er soll glücklich gewesen sein.

コーパスを用いて、時制や主語の人称などとの関連から使用傾向を分析し、比較考察を試みる。wollenについては既に昨年の語学ゼミナールで一部報告したが、その後sollenについても検討してきているので、今回全体をまとめて報告したい。

以上