<東京国立近代美術館フィルムセンター>ドイツ・オーストリア映画名作選
日本におけるドイツ2005/2006  

NFC所蔵外国映画選集

ドイツ・オーストリア映画名作選
Deutschland A Study of German and Austrian Cinema:
From the National Film Center Collection
   
   『たそがれの維納(ウィーン)』(1934/ヴィリ・フォルスト監督)    
『三文オペラ』(1931/ゲオルグ・ヴィルヘルム・パプスト監督)

【開催要項】
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール
会期:2006年1月17日(火)~3月26日(日)
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター・大ホール
1月17日(火)−3月26日(日)
※作品ごとの上映日程はNFCカレンダー(2-3月号)に掲載されます。
火曜日~金曜日 1回目:午後3時/2回目:午後7時
土曜日・日曜日・祝日  1回目:午後1時/2回目:午後4時
料金:一般500円/高校・大学生・シニア300円/小・中学生100円
(伴奏つき無声映画のみ:一般1,000円/高校・大学生・シニア800円/小・中学生600円)
一般お問い合わせ:03-5777-8600
URL:http://www.momat.go.jp/fc.html

【お問い合わせ先】
東京国立近代美術館フィルムセンター(広報担当:津留崎、板倉)
〒104-0031 東京都中央区京橋3-7-6
TEL.03-3561-0823/FAX.03-3561-0830
E-MAIL:nfc-pri@momat,go.jp


 フィルムセンターは2か月以上に渡り、1920年代から1930年代に生み出された
ドイツ・オーストリア映画の名作・傑作群を上映します。
 ドイツ映画は無声時代から、当時の演劇・美術・文学などの諸芸術を取り込むことで洗練された芸術映画として広く認知され、その名を世界映画史に刻みました。また、トーキー時代を迎えた1930年代にはドイツとオーストリア両国にまたがって音楽映画が盛んとなり、『会議は踊る』や『狂乱のモンテカルロ』(いずれも1931年)といった華やかなオペレッタ映画が世界の観客を魅了しました。
 このプログラムは、フィルムセンターが収蔵するフィルムから49本の長篇映画と41本の短篇映画を厳選したものです。中でも『キリストの一生』『東洋の秘密』は川喜多かしこ氏旧蔵の可燃性フィルムから今回新たに復元したもので、国際的にも重要な発見と言えます。また、『カリガリ博士』(1920年)や『朝から夜中まで』(1921年)といった表現主義映画の代表作や、字幕を極力用いない室内劇(カンマーシュピール)映画『除夜の悲劇』(1923年)などの無声期の傑作、そして山岳映画の雄アーノルト・ファンクの勇壮な作品群、恋と人生を謳歌するきらびやかな音楽映画、隙のない映像美とプロパガンダが融合したオリンピックの記録『民族の祭典』(1938年)などの特徴ある作品が並びます。また小特集として、華麗で享楽的なオーストリア映画を牽引し日本でも多くのファンを獲得した才人ヴィリ・フォルスト、当時のヨーロッパで活躍した日本人オペラ歌手・田中路子にスポットライトを当てます。さらに短篇の分野では、世界の先駆的な学術映画であるウーファ社の文化映画(クルトゥーアフィルム)や、美しく抽象的なアンサンブルを堪能できる実験映画作家オスカー・フィッシンガーの初期作品を紹介します。世界を席巻した珠玉の秀作をどうぞお楽しみください。

<上映作品>
●伴奏つき無声映画:『巨人ゴーレム』/『朝から夜中まで』/『東洋の秘密』その他
●ドイツ名作選:『カリガリ博士』/『嘆きの天使』/『白魔』/『会議は踊る』/『制服の処女』/『激情の嵐』/『民族の祭典』その他
●短編映画小特集:「ウーファ社文化映画」/「オスカー・フィッシンガーの抽象映画とウーファ社音楽短編」(『アヴェ・マリア』その他)
●オーストリア名作選:『女ひとり』/『郷愁』/『白夜の果てに』
●ヴィリ・フォルスト小特集:『モナ・リザの失踪』/『シューベルトの故郷』/『未完成交響楽』/『たそがれの維納(ウィーン)』その他
●田中路子小特集:『恋は終りぬ』/『ヨシワラ』/その他帰国時のドキュメンタリー
        
『会議は踊る』(1931)     『朝から夜中まで』(1921)      『民族の祭典』(1938)         『恋は終りぬ』(1935)

※1月31日から2月5日の期間は、無声映画の伴奏音楽家ギュンター・A・ブーフヴァルト氏の伴奏つき上映を行います!

ギュンター・A・ブーフヴァルト Gunter A. Buchwald:
1972年、フライブルグ国立音楽大学でピアノ、指揮、音楽理論を学ぶ。ジャズからバロック音楽まで幅広いジャンルの音楽を経て無声映画のピアノ伴奏を始め、1986年には「サイレント・ムービー・ミュージック・カンパニー」を設立。ベルリン国際映画祭をはじめとするヨーロッパの映画祭を中心に活躍し、無声時代の楽譜の復元にも力を注いでいる。1991年の初来日以来、ドイツ文化センター、京都映画祭など、日本でも数々の伴奏公演を行っている。2000年にフィルムセンターで開催された「シネマの冒険 闇と音楽 フリッツ・ラング選集」でも無声映画のピアノ伴奏を行った。