肝っ玉おっ母とその子供たち
概要
作:ベルトルト・ブレヒト 訳:岩淵達治
上演台本/演出:浅野佳成
音楽:八幡茂  舞台美術:アンジェイ・ピョントコフスキ
出演:辻由美子/白根有子/稲葉礼恵/柳瀬太一/中村滋/渋谷愛/鈴木亮平(劇団芋屋)
/佐藤勇太/白石圭司/栗山友彦/高橋正也(劇団芋屋)/保角淳子/緒方一則
期日:12月22日(火)開演7時/23日(水・祝)開演2時
入場料:当日4000円/前売3800円/学生割引3300円
(観劇日の日時が決まり次第、電話・FAX・E-mailにてご来場をご予約ください。 ご希望3日前まで、KAZEホームページからもご予約いただけます)
チケット予約:KAZE03-3363-3261(代)http:// www.kaze-net.org

作品について
『肝っ玉おっ母とその子供たちは』1999年、東京演劇集団風の拠点劇場〈レパー トリーシアターKAZEを開設して、オープニング記念企画として初演以来、繰り返 し上演を重ねてきた作品です。
2003年のレパートリーシステムの始動と、初めての〈ビエンナーレKAZE国際演劇祭〉の開催、劇団創立20周年記念公演とレパートリーシアターKAZEの歩みとともにある、KAZEの代表的なレパートリーです。
2003年に「肝っ玉おっ母」役を演じる辻由美子が第11回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。
同年の平成15年度湯浅芳子賞戯曲上演部門の受賞、第4回倉林誠一郎記念賞団体賞の受賞もレートリー上演による『肝っ玉おっ母とその子供たち』の成果がきっかけとなりました。
2006年には岩淵達治氏の協力を得て、演出の浅野佳成による新たな上演台本を創作。「あとから生まれてくる人たちに」というブレヒトの詩の朗読を挿入して、若い観客を対象とした全国巡演レパートリーのひとつとしました。演出の浅野は「戦争反対にとどまらず、”生きる””生きがい”という多様な受
けとめ方、戦争という限りない悲惨さの発見と同時に、このような苦境にあってなお生き続け、笑い、泣く、人間の原初的な力強さを発見してほしい」と語ります。そして いま若い観客と対峙する公演の積み重ねによって『肝っ玉おっ母とその子供たち』の新しい側面も発見され、ブレヒト劇の新たな可能性を切り拓いています。今年も 関西・北陸・中国・九州地域の巡回公演を行い、このツアーを終えて拠点劇場で凱旋公演を行います。

17世紀、宗教戦争下、肝っ玉おっ母は軍隊相手の商売で生計を立てている。長引く戦争によって彼女はひとり、またひとりと3人の我が子を失う。しかし軍隊が移動する行軍のマーチが聞こえてくると、彼女はひとりで幌馬車を引いて軍隊を追いかけていく・・・・。
戦争によってそこで街を奪われた人たち、そして、そこにあった生活も奪われた人たちが、あとから生まれてくる人たちに歌う「自由と受難の歌」。
第二次世界大戦が勃発した1939年、ブレヒトが亡命中に書かれた問題作。戦争の世紀、まさにその直中に生きたブレヒトの時代精神が持つ希求は、われわれにとって貴い。