<早稲田大学演劇博物館>集団の声、集団の身体~1920・30年代の日本とドイツにおけるアジプロ演劇Theatermuseum: Kollektive Stimmen, kollektive Körper -Agitproptheater in Japan und Deutschla
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館企画展
「集団の声、集団の身体~1920・30年代の日本とドイツにおけるアジプロ演劇」


主催: 早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
協力: ドイツ芸術アカデミー(ベルリーン)
ケルン大学演劇博物館
デュッセルドルフ演劇博物館

会期: 2007年11月24日(土)~2008年1月20日(日)
[会期中の休館日:12/23(日・祝)~1/7(月)、13(日)、14(月・祝)]

会場: 早稲田大学坪内博士記念演劇博物館2階 企画展示室I
開館時間: 10:00~17:00(火・金は19:00まで)

入場無料

1927年、一人の日本人青年がドイツへ渡りました。その目的は、労働者革命のための扇動(アジテーション)と宣伝(プロパガンダ)を主眼とした現地の演劇を学ぶことでしたが、彼は著名な作家や演出家のそれよりも、無名の労働者たちの<アジプロ隊>が集団作業を通して創りあげる、身体性に重きを置いた舞台に惹かれ、ついにはその集団の一員となり、制作に加わるまでになりました。
 彼の名は千田是也。周知の通り、新劇の代表的人物ですが、その青年期にはこのドイツ・アジプロ隊での活動がありました。4年後に帰国した彼は東京のアジプロ隊(メザマシ隊)で活躍、しかし日本は大戦に突入し、隊はまもなく解散を余儀なくされます。戦後、これら日独アジプロ隊の活動は、その政治性の強さ、文学性の低さゆえか、ほとんど顧みられていません。
 しかし約80年が経ち、文学性よりも身体性を前面に出した舞台がしばしば注目を集めている現在、当時のアジプロ演劇をあらためて見ると、思わぬ面白さが見つかるのではないでしょうか。本展覧会は現代演劇を考えるための参照項として1920・30年代の日独アジプロ演劇をとらえ、この演劇に新しい光を当てる試みです。
関連イベント(1)
「ブレヒトとアジプロ演劇~映画『クーレ・ヴァンペ』を手がかりに」

日時: 2007年12月4日(火)14:40~16:10 (開場は30分前)
会場: 早稲田大学小野梓記念講堂
講師: 秋葉裕一(早稲田大学教授、演劇博物館副館長)
解説: 萩原 健(演劇博物館助手)

入場無料・事前予約不要

前半では、ドイツのアジプロ隊<赤いメガフォン>が登場した映画『クーレ・ヴァンペ』(1932)について解説、またその一部を上映いたします。後半では、この映画の脚本を担当し、多数の戯曲作品を著した劇作家ベルトルト・ブレヒトの演劇に一貫して流れるテーマや思想、その詩論、言葉や表現について、秋葉氏にお話しいただきます。

関連イベント(2)
「アジプロ演劇と現代演劇~劇的な素人、劇的な街頭」

日時:2008年1月10日(木)14:40~16:10 (開場は30分前)
会場:早稲田大学小野梓記念講堂
講師:高山明(演出家、Port B主宰)、暁子猫(Port Bパフォーマー)
聞き手: 萩原 健(演劇博物館助手)

入場無料・事前予約不要

戦前のアジプロ演劇はこれまでそのイデオロギー性のために敬遠されてきた感がありますが、当時の上演を点検してみると、形式の点で相当に自由かつエネルギーに満ちたものであったこと、またこんにちの演劇の先端に通じるものでもあったことが分かります。現代演劇の現場の人間の視点から見た当時のアジプロ演劇の魅力について、トークショー形式で高山氏・暁子猫氏にお話しいただきます。

お問い合わせ:
早稲田大学演劇博物館
住所:〒169-8050 東京都新宿区西早稲田1-6-1 早稲田大学内
TEL:03-5286-1829 (事務所直通)
FAX:03-5273-4398
E-MAIL:enpaku@list.waseda.jp