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(3)長期掲載情報
(3)長期掲載情報 : ラジオ外国語講座問題: NHK会長会見報告
投稿者 : m_owari 投稿日時: 2007-06-04 13:54:44 (12073 ヒット)

会員の皆様


 ラジオ外国語講座に関するNHKへの要望書(4月5日付)については、4月7日に本ホームページ「学会からの情報」に掲載しましたので、ご存じのことと思います(現在は「長期掲載情報」に掲載)。
 要望書送付後間もない4月12日には、NHK語学番組の制作責任者お二人(NHKエデュケーショナル語学部総括部長、NHK制作局委託管理部門チーフプロデューサー)が来訪され、仏文と露文の同僚に同席をお願いして、検討状況の説明を受けるとともに、詳しい意見交換を行ないました。しかし、要望書は、日本放送協会会長、放送総局長、編成局長、制作局長宛に送付しており、また具体的にNHK首脳部との会見の見通しがあったため、制作レベルとの意見交換については理事会に詳しくご報告するだけにとどめていました。
 その後さる5月24日、橋本元一会長と日向英実理事・放送総局副総局長(番組担当)が会見に応じられることになり、要望書名義人のうち都合のついた9名が出席しました。まず出席者を記しておきます。
イタリア学会会長 長神 悟、韓国・朝鮮文化研究会会長 吉田光男、(日本イスパニヤ学会会長 高橋覚二 代理) 同理事 竹村文彦、日本中国語学会会長 木村英樹、日本独文学会会長 松浦 純、同ドイツ語教育部会長 三瓶愼一、日本フランス語教育学会会長 立花英裕、日本フランス語フランス文学会会長 塩川徹也、日本ロシア文学会会長 井桁貞義

 会見は友好的な雰囲気のうちに行なわれました。
 要望書に対する説明では、NHKは民放とは違って文化・教養番組が大事であり、語学番組は重視している、という基本姿勢を表明される一方、問題のラジオ外国語講座については、現在20分単位のものを15分単位にすることも検討していることを明言されました。英語が15分単位なので揃えた方が組みやすい、という編成上の便宜も理由として挙がりました。しかし、いずれにしてもまだ検討中ということでした。また、メディア状況の変化に応じて、各メディアの可能性を綜合的に検討しており、語学番組もインターネット発信して「オン・デマンド」の提供ができるようにする方向で考えている、ということも述べられました。
 中でも強調されたのは、NHK離れしている若年層を獲得するのに腐心している、ということで、会長から、団塊世代の後を追ってばかりいるわけにも行かない、との発言までありました。中高年層を軽んじるのではなく、次代に向けての「継続性」を確保しなければならない、という趣旨です。その試みの具体的な形態が、たとえば現在のテレビの外国語会話番組だと見受けられます。また、その意味でもインターネットによる発信に期待を懸けているということのようです。こういった点はみな、基本的には上記の制作責任者からの説明で聞いていたところではありましたが、トップの口からの発言で、若年層獲得志向ないしそれへのプレッシャーの大きさが、より明確に感じられました(その後、数日前には、NHK経営委員会から経営陣に対して若年層獲得の必要が述べられた、という報道もあったところです)。これは、我々の日頃の関心とも大きく重なる部分でしょう。
 こちらからは、我々は学習目標と講座内容から考えるので、それと公共メディアとしての考慮が出会うところでお考えいただければありがたい、という基本線で要望を述べました。インターネットによる「オン・デマンド」受信は、再放送ないし録音の代わりになりうるものとして歓迎するが、外国語の習得には定期的に聴く本放送が基本である、ということともに、一番強調したのは、学習のためには、(再放送を含めた一週間の総放送時間ではなく)講座の「正味時間」(現在は言語毎に週120分)が決定的に重要であり、これを減らさないでいただきたい、出来ればむしろ増やしていただきたい、という点でした。この点が要望の眼目であることは、橋本会長もよく認識されたようです。
 最後には、会長から、今後もよろしくご意見を賜りたい、しかし経営上若年層獲得のためにいろいろトライしていることもご理解頂きたい、という発言がありました。全体に、検討状況を説明し、こちらの発言もよく聞くが、言質を与えるわけにはいかない、という姿勢で、今後どの方向で検討が進められることになるかは、まだ不明です。しかし、会長みずから我々との会見に応じられたという事実の意義とともに、会長がこの問題について具体的に準備して臨んで来られたことも窺われ、こちらの要望がNHKの最上層部で受け止められたことは確かと言えます。
 その後、このかんに、礼状の形で、講座正味時間の維持をあらためて要望するとともに、今後とも制作現場に至るさまざまなレベルで意見交換の機会をお作りいただければ有り難い、という趣旨の短い書簡を、要望書名義人全員の名前で送ったのが、現在の段階です。

 今回の行動では、英語以外の外国語の学習環境維持のための要望が直接NHKのトップが応じる案件となったこととならんで、関係各学会代表者がそのために共同行動をとったという事実自体が、ここまでの大事な成果かと思われます。今後、NHK外国語講座問題でのなんらかの成果とともに、これを機縁として、わが国の英語以外の外国語教育のために各言語関係学会が折にふれ協同して社会に働きかけてゆく基盤が形成されてゆくことが期待されるところです。
 最後にお願いですが、会員の皆様それぞれに、この問題を注視し、ぜひ周囲にも働きかけてください。なお、聴取者の動向の把握については、投書等とならんで、実際には、講座テキストの販売数が目安となっているようです。ラジオ講座利用の推奨、講座テキストの購入と推奨が、講座の十全な維持への一番の支援になるでしょう。ちなみに私は、感心しながら面白く聴いています。

2007年6月2日
日本独文学会会長  松浦 純

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