<上智大学>シンポジウム ヨーロッパ映画における移民たち―移民問題をみる
[size=x-large]ヨーロッパ映画における移民たち
―移民問題をみる―



日 時: 2007年5月12・13日(土・日)
会 場: 上智大学 中央図書館9階 L-921会議室

イスラム・コミュニティ出身のこどもたちがフランス、ドイツで引き起こした「スカーフ問題」や、ヨーロッパ諸国へ流入する不法入国者・不法滞在者問題をはじめとして、「移民問題」として括られる数々の事件はヨーロッパ社会全体に大きな影響を与え続けています。「移民問題」はヨーロッパ社会の基盤を揺るがしていると言えるでしょう。「移民問題」をうつし取った、あるいは文字通り「映し撮った」映像作品をみるさい、そこで移民たちがどのようなステレオタイプによって、何をモデルにして、いかなる語り口で描き出されているのかを真摯に問う必要があるでしょう。だれの視線で、何がそこでは写しとられているのか、という問いかけです。すでにイギリス映画界、そしてハリウッドで成功しているスティーブン・フリアーズ(Stephen Frears)、そして近年高い評価を受けたトルコ系移民第二世代監督ファティー・アキン(Fatih Akin)のほかにも、たくさんの監督たちがこれまで「移民」を素材に映像作品を製作してきています。ネーションごとに異なる発展を遂げてきたヨーロッパ映画の歴史を踏まえ、「移民問題」を扱ったヨーロッパの映像作品のあいだにある差異と共通点を見出し、この問題圏の全体像を提示していくことを本シンポジウムは目指しています。
本シンポジウムは、『日・EUフレンドシップウィーク』に協賛しています。
<事前申し込み不要・入場無料>

ジャン=クロード・オロリッシュ(上智大学ヨーロッパ研究所 所長)
ライノルト・オプヒュルス=鹿島(シンポジウム実行委員)
眞鍋正紀(シンポジウム実行委員)

お問合せ: 上智大学ヨーロッパ研究所(旧ドイツ語圏文化研究所)
電話・ファックス:03-3238-3902
E-mail:[color=000000]e-hirata@hoffman.cc.sophia.ac.jp



プログラム

5月12日(土曜)

14:00 基調講演: Migration in Europe
(ジャン=クロード・オロリッシュ 教授:上智大学)
14:30 招待講演: 映画はどこまで現実を映せるか
(狩野良規 教授:青山学院大学)
15:05 発表:「移民キャラクター」の制作思想とその受容
(眞鍋正紀:上智大学 非常勤講師)

15:40-16:00 休憩

セクション: フランス語圏映画の移民たち
(モデレータ:ジャン=クロード・オロリッシュ教授:上智大学)
16:00 Figures de l'immigre dans le cinema populaire francais contemporain
(長谷川イザベル 教授:上智大学)
16:35 『隠された記憶(caché)』 ―投影された現代フランスの移民問題―
(浜野明大:上智大学 非常勤講師)

17:10-17 : 30 休憩

セクション: 英語圏・ポルトガル語圏映画の移民たち
(モデレータ:オプヒュルス鹿島ライノルト 准教授:上智大学)
17:30 "I'll Have Half a Cup"
- Portrayals of British Asians in Recent British Cinema
(ジョン・ウィリアムズ:上智大学, 映画監督)
18:05 マノエル・デ・オリヴェイラ監督の作品におけるヨーロッパのイメージ
—ポルトガルからヨーロッパへ
(マウロ・ネーヴェス 教授:上智大学)

19:00 会食(近傍のレストランにて)


5月13日(日曜)

セクション: ドイツ語圏映画の移民たち I
(モデレータ:眞鍋正紀:上智大学)
9:00 Julia Under the Scarf?
– The Figure of the Young Female Immigrant in Some Recent German and Other European Films
(オプヒュルス鹿島ライノルト 准教授:上智大学)
9:35 トーマス・アルスラン「DEALER」における移民の職業生活のイメージ
(渡辺政弥:上智大学大学院博士課程)
10:10 Underscoring Différance:
The role of music in Fatih Akin’s works
(ゴードン・ガムリン教授:ロヨラ・マリーマウント大学)

10:40-11:00 休憩

セクション:ドイツ語圏映画の移民たち II
(モデレータ:浜野明大:上智大学)
11:00 "Rainer Werner Fassbinder and his interpretation of the immigrant character in his movies"
(Gisela Doi:京都女子大学)
11:35 Einheimische und Ausländer im Dokumentarfilm Ausländer raus!
Eine Analyse des Films über die Kunstaktion Bitte liebt Österreich von Christoph Schlingensief
(クリスチアン・ツェムザウアー:上智大学)
12:05 ステレオタイプからの脱却
- 90年代以降のドイツ映画におけるトルコ系移民描写の変化
(渋谷哲也:東京国際大学)

12:35-14:00 休憩

14:00 パネルディスカッション:
ヨーロッパ映画における移民たち ―その共通点と差異―
(使用言語:日本語)