<九州大学大学院人文科学研究院>招待講演「トーマス・マンと日本」
2017年6月、トーマス・マンの手紙が、九州大学に寄贈されました。そこで、本学では、寄贈者をお招きして、公開記念式典を行います。

式典の際に行われる記念講演(通訳付きドイツ語講演)は、トーマス・マン協会のハンス・ヴィスキルヒェン会長がご担当です。

文学にご関心のある方でしたら、どなたでも参加できます。但し、席に限りがありますので、早目に下記にてお申し込みください。

九州大学大学院人文科学研究院 
独文学講座 教授 
小黒康正(Prof.Dr.Yasumasa Oguro)

..................................................................................

「トーマス・マン書簡の公開記念式典」(http://www.kyushu-u.ac.jp/ja/events/view/440)

日時 2018年3月10日(土)16時より

場所 九州大学文学部会議室(文学部4階、http://www2.lit.kyushu-u.ac.jp/access/)

主催 九州大学大学院人文科学研究院

後援 九州大学附属図書館、西日本日独協会、日本独文学会西日本支部

式次第
1 大学院人文科学研究院長の挨拶(久保研究院長)           
2 高橋義孝文庫追加寄贈品の紹介(小黒教授)             
3 寄贈者への感謝状贈呈(宮本附属図書館長)            
4 記念講演「トーマス・マンと日本」
  (トーマス・マン協会ハンス・ヴィスキルヒェン会長)   
5 懇親会(18時頃より同会場にて。会費3000円、学生1500円)  

出欠 
参加希望の方は、九州大学文学部非常勤講師の村上浩明氏宛てで電子メール(murakami.hiroaki.590@m.kyushu-u.ac.jp)にて、2月末日までにお申し込みください。 
 ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
  ご芳名
  ご所属
  出 欠  記念式典:出席・欠席、 懇親会:出席・欠席
  締切日  2月28日
 ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,

本式典の経緯を簡単に説明しておきます。2017年6月、マンの書簡5通と高橋義孝元教授の研究ノートからなる寄贈が同教授のご遺族から九州大学にございました。書簡5通の内、1通はコピー、3通はタイプ、1通は直筆の書簡で、いずれも貴重な研究資料です。

そこで、関係者が協議した結果、寄贈品を附属図書館の貴重図書として受け入れることが決まりました。式典では、ドイツからトーマス・マン協会のハンス・ヴィスキルヒェン会長を招き、同会長に記念講演をしていただきます。ヴィスキルヒェン氏はマン研究の第一人者です。同時に、かつてハンザ同盟都市として栄えたリューベック市にある「ブッデンブローク・ハウス」、「ギュンター・グラス・ハウス」、「自然環境博物館」などの11の文化施設の館長として、獅子奮迅の活躍をされています。

講演題目は「トーマス・マンと日本」です。マンと日本の関わりはあまり知られていませんが、マンの夫人であるカーチャは双子として生まれており、その兄弟であるクラウス・プリングスハイムは1931年に来日し、1972年に東京で亡くなるまで、日本の音楽教育に多大な貢献をした人物です。また、1949年2月9日付け高橋義孝宛のマン書簡で名前があげられているハンス・エーリク・プリングスハイムは、クラウス・プリングスハイムの息子であり、日本でジャーナリストや映画評論家として活躍しました。

マンは亡命先のアメリカで第二次世界大戦の終戦を迎えましたが、カリフォルニアのマン宅では、日本人夫妻が使用人として働いていたという事実もあります。加えて、1949年1月2日付け平田次三郎宛の書簡が示しますとおり、マンは朝日新聞社の依頼で日本宛の新春挨拶を書いており、今回期寄贈された書簡から、戦後日本に対するマンの関心が伺い知れます。ヴィスキルヒェン会長の講演は、日独の戦後状況を踏まえた興味深いお話になるのではないでしょうか。