<東京演劇集団 風>マハゴニー市の興亡
東京演劇集団 風第87回公演
『マハゴニー市の興亡』

作:ベルトルト・ブレヒト 翻訳:岩淵達治
構成・演出:浅野佳成
音楽:八幡茂 演出協力:中川晶一朗
舞台美術:アンジェイ・ピョントコフスキ 衣裳:ズザンナ・ピョントコフスカ
照明:塚本悟 音響:実吉英一 映像:松元義則 
舞台監督:佐田剛久 企画制作:佐藤春江 演出助手:江原早哉香

出演:柳瀬太一(パウル・アッカーマン)
   渋谷愛(ジェニー・スミス)
   緒方一則/西垣耕造/栗山友彦
   柴崎美納/田中悟/酒井宗親
   田中賢一/佐藤勇太/佐野準/白石圭司/車宗洸
   白根有子/稲葉礼恵/仲村三千代/工藤順子/高階ひかり/倉八ほなみ

全世界のありとあらゆる欲求不満の人々を、惹きつけた歓楽都市マハゴニー。
アラスカで7年の労働に耐えた4人の木樵たちが、札束をがっぽり持ってやってくる。この物語はそのひとり、パウル・アッカーマンの物語である。
酒と女、憩いと睦み合いの街で、しかしパウルは幸福にはなれない。依然として多くの規制と禁止があるからだ。ハリケーンがマハゴニーを襲ってくるなかで、パウルは幸福の原理を発見する。それは一切の制限の”禁止”。 「何でも好きなことをやりたい放題にやれること。ただし金さえあれば!」パウルの発見はマハゴニーの最高の法となる。
欲望のままに木樵ヤーコプは飽食で、ジョーは賭けボクシングで死ぬ。そして娼婦のジェニーと束の間の愛を交わしたパウルは、酒に金を使い果たし借金をつくる。木樵のひとりハインリヒはパウルのために金は貸さない。ジェニーもまた「薄情の歌」を歌い、借金の肩代わりを拒む。死刑を宣告されたパウルが最後に悟る。「俺の買った喜びは喜びなんかじゃなく、金で買う自由は自由なんかじゃなかった」。
パウルの死後、社会の無力さと混沌を宣するカードを掲げ、住民たちは終わりのない行列をつくっていく。

1929年ブレヒトが世界大恐慌の直前に執筆した作品。1930年、クルト・ヴァイル作曲による「叙事的オペラの試み」として上演される。
幸福を求める人々が、自ら貪欲につくりだしていく都市。しかし欲望の網が張られた街で、人々はつくり出された欲望に踊り、快楽を買い漁る。
都市の繁栄と破壊の様は、私たちの生きる社会を映し出し、自由とは何か、生きる歓びとは何かを問いかけている。
『肝っ玉おっ母とその子供たち』『セチュアンの善人など』多くのブレヒト作品を手掛けてきた浅野佳成演出のもと、2007年に初演。ブレヒト上演と、俳優たちとのワークショップを通し、現代劇における共同体=コロスの存在を見出してきた浅野演出による風の代表的ブレヒト作品。
今回の上演では新たなキャスティングで、都市で出会う一組の男女を軸に、欲望都市をつくり出す人々をコロスとして出現させる。
開けっぴろげで、ばかばかしく戯画化した世界に、八幡茂のオリジナルソングと、辛辣な身振りで、ブレヒトが提案した叙事演劇:観客の批評精神を鼓舞する舞台に迫り、現代社会の矛盾を提示します。

4月2日(土)~10日(日)
開演:平日7時/土日2時
会場:レパートリーシアターKAZE
入場料:当日4000円/前売3800円/学生3300円
年間通しチケット10000円(3枚綴り) [全席自由席]
◆お問い合わせ・チケットのお求めは、電話、FAX、E-mailにて劇団までご連絡ください。劇団ホームページ、チケットフォームもご利用ください。
東京演劇集団 風 TEL03-3363-3261 FAX03-3363-3265
         E-mail:info@kaze-net.org URL:http://www.kaze-net.org