<阪神ドイツ文学会>第211回研究発表会のご案内
第63回総会・第211回研究発表会のご案内


下記の総会・研究発表会・講演会を開催いたしますので、ご案内申し上げます。阪神ドイツ文学会会員以外の方のご参加も歓迎致します。参加費は無料です。(非会員は総会の審議・議決にはご参加頂けません)

日時: 2013年4月7日(日)13時30分より
場所:神戸大学 瀧川記念学術交流会館2階
住所:〒567-8501 兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1
電話番号:078-881-1212
*JR「六甲道」ないし阪急「六甲」から36系統の市バスに乗り「神大文理農学部前」下車、門を入って南方向に進んでください。

1.総会
1) 幹事諸報告:庶務、会計、編集、企画、渉外、支部選出理事
2) 審議事項: *2013年度予算について
*「阪神ドイツ文学会」ドイツ語名称改定について
「阪神ドイツ文学会規約」第1条に記されているドイツ語名称改定案を諮ります。幹事会による提案内容を以下にお示しします。提案理由等の詳細は当日ご説明申し上げます。
現行名称:Japanischer Verein für Germanistik im Bezirk Osaka-Kobe
提案する新名称:Gesellschaft für Germanistik Osaka-Kobe

2.研究発表会
発表1:奥山祐介(日本学術振興会特別研究員・大阪大学大学院博士後期課程)
題目:セーアン・キェルケゴールのユラン半島旅行と周縁ヨーロッパ都市における遊歩者像の形成
司会:斉藤渉(大阪大学)
発表要旨:
近年、キェルケゴール研究の成果はテクストへのアプローチ戦略を多様化させ、都市文化のコンテクストと密接に連関した新たな作家/思想家像を提示しつつある。そのモデルとして想定されているのが、ボードレールに代表されるアウトサイダー的自己理解を抱えた遊歩者像である。本発表は、最新の研究動向にみられる社会文化論的な問題構成を継承し、キェルケゴールのテクストに現れる遊歩者像の歴史的意義を、周縁ヨーロッパ世界に独特な地域条件との関係において考察するものである。とりわけ、ユラン半島旅行中のキェルケゴールの手記(1840)にみられる自らの地理的・血縁的ルーツへの関心と結びついた宗教的問題と、著作集『あれか=これか』(1843)における外部世界への出奔願望や誘惑といったモチーフの関係に注目する。その上で、「誘惑者」ヨハネスに代表される周縁ヨーロッパ的な遊歩者像の成立というモメントから、ヨーロッパ世界内部における「中央」と「周縁」の交渉をめぐる間文化的なコンテクスト理解を導き出す。

発表2:野上俊彦(神戸大学大学院博士後期課程)
題目:信仰空間の解体と再構成——E・ユンガーのキリスト教的思考 
司会:斧谷彌守一(甲南大学)
発表要旨:
エルンスト・ユンガーは、1920年に作家としてデビューして以来、80年近く文筆活動に勤しんだドイツの思想家である。彼はときに無信仰的な独我論者と評され、その思想は神なき現代人のニヒリスティックな自己主張として理解される。
しかしユンガーには、これと相反するかに見える積極的な信仰者としての顔もある。彼は少年期より一貫して現代における神性の可能性を追求し、また作家として出立して以降、さまざまな作家・思想家の受容を通じて、キリスト教的な神信仰に対して徐々に強い親近感を抱くようになった。特に、ボードレール、ユイスマンス、ベルナノス、ブロワといったカトリック的傾向をもつ作家からは多大な影響を受けている。
本発表では、一見したところ無信仰的なユンガーのニヒリズムの態度の陰に、作家としての自己研鑽の過程を通じて培われたキリスト教的な神信仰があったことを明らかにし、その思想史的な意義について検討することとしたい。

3.講演
講師:Prof. Dr. Ursula Hirschfeld (Universität Halle-Wittenberg)
演題:Aussprachestandards und -varianten im Deutschen
要旨:Aussprachestandards und -varianten im Deutschen: Es gibt zwar DIE Grammatik des Deutschen, aber nicht DIE Aussprache. Neben den Standardaussprachen in Deutschland, Österreich und der deutschsprachigen Schweiz gibt es dialektale Varietäten und umgangssprachliche Formen. Innerhalb der Standardaussprache lassen sich weiter phonostilistische (situative) und emotionale Aussprachevarianten beschreiben, eine besondere Ausspracheform finden wir in der gesungenen Sprache. Im Vortrag werden diese verschiedenen Ausspracheformen, auch in ihrer Relevanz für den Deutschunterricht in Japan, vorgestellt und anhand von Tonbeispielen beschrieben.

4.懇親会
総会・研究発表会が開かれる同じ建物内(瀧川記念学術交流会館1階)で開催します。会費は4,000円(大学院生2,000円)です。出欠の葉書は同封しませんので、当日受付にてお申し込みくださいますようお願いします