<「社会と行為から見たドイツ語」研究会(SPG)>第20回研究会のご案内
「社会と行為から見たドイツ語」研究会
(SPG-SocioPragmatica Germanica
 
第20回研究会のご案内
  


下記の要領にて、上記研究会を開催いたします。
ご関心のおありの方は、ぜひご参加下さいますようご案内申し上げます。

                    記

日時: 2012年12月14日(金)、15:00 – 18:15
場所: 学習院大学  北2号館10階、第4会議室

(JR目白駅下車徒歩1分、地下鉄副都心線雑司が谷駅下車徒歩10分)

キャンパス地図をご参照下さい:
http://www.gakushuin.ac.jp/mejiro.html


プログラム (内容に関しては下記の要旨を参照):

 15:00- 渡辺学 (学習院大学):
     読書報告

 16:30- 休憩

 16:45- 小川敦(一橋大学特別研究員)
「近年のルクセンブルクにおける言語使用と言語意識」

お問い合わせは、下記世話人まで

高田博行(学習院大学) hiroyuki.takada_AT_gakushuin.ac.jp
渡辺 学(学習院大学) manabu.watanabe_AT_gakushuin.ac.jp
[_AT_は@]


【発表要旨】

読書報告
渡辺学

SPGの9年余におよぶ歴史のなかでははじめての試みとして、「読書報告」という枠組みのなかで以下の論考を概説し、「様式」や「スタイル」とも訳出が可能なStil を探究する際のマンハイム学派の可能性(と限界)を示す。「社会文体論 (Soziostilistik)」という名をもって総称されるこの学派がJ. Gumperzの影響を強く受けていることなど、学術史的な背景にも可能な範囲内で言及し、語用論や社会言語学、さらには社会語用論における「研究のパースペクティヴ」を見据えた参加者全体の議論につなげたい。

Inken Keim (1995): Sprachvariation und soziale Kategorisierung. In: Iwar Werlen (Hg.): Verbale Kommunikation in der Stadt. Tübingen: Narr, S. 159-174.
Inken Keim (2002): Sozial-kulturelle Selbstdefinition und sozialer Stil. In: Inken Keim/ Wilfried Schütte (Hgg.): Soziale Welten und kommunikative Stile. Festschrift für Werner Kallmeyer zum 60. Geburtstag. Tübingen: Narr, S. 233-259.

小川敦
「近年のルクセンブルクにおける言語使用と言語意識」

ルクセンブルクでは1984年に成立した言語法により、ルクセンブルク語はフランス語、ドイツ語とともに事実上の公用語となった。1980年代当時、権威の象徴としてのフランス語、誰もが使用可能な書記言語ドイツ語、文字に書かれることは少ないが、国民統合の象徴とされるルクセンブルク語という各言語の位置づけを前提に議論がされていた。しかし言語法から30年近くが経過した今日、外国人人口の急増などを背景に、言語の使用状況は徐々に変わりしつつある。フランス語はコミュニケーション手段としての役割を強くし、ルクセンブルク語は外国人に学ばれる言語となりつつある。一方で、ドイツ語は時にその存在意義を問われかねない状況となっている。
本報告では、ルクセンブルク社会の変化を追いながら、近年の言語使用がどのように変化しつつあるのか、国民国家の枠組みとグローバリゼーションの間で揺れ動く言語の意識を探ってみたい。

                                                 
以上