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語学ゼミナールに参加して(A. Okabe, E. Kimura)[J]

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語学関連コラム
  投稿日: 2013-10-18 10:29
岡部亜美、木村英莉子(京都大学大学院修士課程)
2013年の語学ゼミナールは、8月28日から31日にかけて、京都市中京区のコープイン京都で開催されました。今回の総合テーマである„Translation und deutsch-japanische kontrastive Grammatik(翻訳と独日対照文法)“のもと、招待講師のViktoria Eschbach-Szabo先生(Tübingen 大学)、また、中国からいらした王京平先生、および多くの先生方、博士課程の先輩の講演・研究発表がありました。Eschbach-Szabo先生は日本(語)学を学ぶドイツ人として、またハンガリー語母語話者としての経験も踏まえながら、3日間に渡り内容の濃い講演をして下さいました。
私たちは今回初めて語学ゼミナールに参加させてもらいました。そのため、ゼミナールが始まる前から、自分たちのドイツ語力できちんと講演・質疑応答を理解できるのか、内容をしっかりと吸収できるのかと不安を感じていました。講演がすべてドイツ語で行われることは知っていたものの、ゼミナールが始まり実際にその場で聞いてみると思っていた以上に難しく、最初は正直言ってただただ聞き流しているような状態でした。それでもドイツで日本語学を研究されている先生からお話を聞くという機会を与えてもらったことで、ドイツでの日本語学研究が実感として感じられるようになりました。加えて普段、自分たちが当たり前に使用している日本語がどのような言語であるかを客観的に考察し、母語である日本語を見直すよいきっかけにもなりました。講演が終わるたびにに互いに理解できていないところを確認し合いましたが、自分たちが聞き取れた少ない内容からも、先生が発表内容を充実させようとしっかり準備下さっていることが感じられました。今回の講演で、私たちは翻訳の難しさや、日本語とドイツ語またハンガリー語を対照研究することの意義を学ぶことができました。これにより、自分の母語ではない他の言語を研究するからこそ、自分の対象とする言語の特徴を発見し、より深く研究できる面もあるのだと気づき、ドイツ語を研究する新たな意欲が湧きました。またドイツ語をきちんと身につけ、こういったドイツ語での講演をしっかりと理解できるようになりたいという思いが強まりました。

2日目にはEschbach-Szabo先生や多くの先生方の講演・研究発表がありましたが、中でも王先生の講演が心に残りました。王先生は中国人学習者にとってドイツ語が難しいのはなぜかというテーマでお話をされました。ドイツ語を研究していらっしゃる中国人の方に今回初めてお会いしましたが、孤立語である中国語、屈折語であるドイツ語それぞれの屈折、文構造、語順、品詞の点から大変明確で分かりやすい発表をされ、学ぶところがたくさんありました。中国語の干渉を受けながらドイツ語を学習する難しさは、日本語の干渉を受けながらドイツ語を学ぶ自分自身の経験にも重なり、ドイツ語を外国語として学ぶ連帯感のようなものを感じました。

また夜には会食に連れて行って頂き、それまでお話したことのない先生方とも話をさせてもらいました。普段、お会いする機会がない先生方とおしゃべりさせて頂くことは、私たちにとってとても貴重な経験でした。それまで先生方に対してどこか萎縮していたのが、和気あいあいとした雰囲気のなかでドイツ語や言語学に関する話を伺い、また勉強や留学に関しても貴重なアドバイスを頂きました。会食中も先生方はドイツ語や言語学に関して議論を行っていらっしゃり、その議論もまたとても熱いものばかりで、私たちにとって大きな刺激となりました。まだ深くは知らない分野についても、先生方のお話を伺ったことで視野が広がり、今後の大学院での研究に対して複眼的に考えるきっかけとなりました。

3日目には博士課程の先輩の発表があり、ドイツ語で堂々と話しておられる様子に非常に感銘を受けました。同時に、私たちも将来この場でしっかりとした発表ができるようになっていたいと刺激も受けました。また夜にはEschbach-Szabo先生、王先生を囲んでのパーティがあり、楽しいひと時を過ごしました。実行委員先生方のお計らいでEschbach-Szabo先生と個人的にお話する機会を頂き、「日本語でも大丈夫」と気をつかって頂きながらでしたが、自分たちの研究範囲との関連で、また先生の講演の疑問点などをドイツ語で伺い、先生は丁寧にアドバイスをして下さいました。他にも言語学やドイツ語に関してなど気さくに話をしてもらいました。王先生は翌朝、中国に帰られてしまったため最後の夜でしたが、ご挨拶では、日本に来て発表することに不安があったため、発表に備えて時間に収まるよう何度も練習されたことなどを話しておられ、研究や発表に対する先生の真摯な姿勢が伝わってきました。

最終日には、Eschbach-Szabo先生の講演内容への理解を深めるためのワークショップと、3日間の講演についてのディスカッションがありました。ワークショップでは実行委員長をはじめ、先生方が日本語で講演の内容を解説してくださり、ドイツ語では理解できなかった個所、聞き逃してしまったところを今一度確認しました。また午後にはEschbach-Szabo先生に質問をする機会を与えて頂き、必死に文章をおこしてディスカッションに備えました。午後のディスカッションでは自分たちの興味・関心と関連付けた形で質問をすることができました。私たちの拙いドイツ語に対しても、Eschbach-Szabo先生は非常に分かりやすく丁寧に説明して下さり、とてもよい勉強になりました。ドイツ語で質問するのは難しかったですが、ディスカッション中に発言をしたことにより積極的に討議に参加しやすくなりました。

ゼミ全体を通してレベルの高さに気持ちがくじけそうになる時もありましたが、私たちと同じように修士課程で、あるいは博士課程で学んでいる同輩、先輩方と知り合い、互いに励まし合いながら乗り切ったことはよい思い出となりました。先生方には折にふれてお声をかけて頂き、最終的にはよい緊張感をもって終えることができたと思います。昼の時間に先生方、先輩方と近くの錦市場や四条へ「プチ観光」に出かけた際も楽しい時間を過ごせました。

今回の語学ゼミナールは私たちにとってたいへん貴重な体験となりました。興味深い講演や発表を聞く機会や先生方とお話しさせて頂く機会を得られ、とても有意義な時間を過ごさせて頂きました。次回の語学ゼミナールも、ぜひ参加させてもらおうと思っております。

岡部亜美、木村英莉子 (京都大学大学院修士課程)
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