アジア地区ゲルマニスト会議のお知らせ


 「アジア地区ゲルマニスト会議」(Asiatische Germanistentagung)を 日本独文学会が主催することが、1998年6月6日の総会で承認されま した。会議は1999年8月21日から8月24日まで、西日本支部のご 尽力をいただいて福岡市の九州産業大学で開催される予定です。皆様にこ れまでの経緯等をご説明申し上げ、ご理解を得たいと思います。

 <アジア地区ゲルマニスト会議>は、その前身となる会議も含めてこれ までに5回開催されています。

 この会議は第3回までは、日本、中国、韓国の関心のあるゲルマニスト の個人的なイニシアティヴで開催されていたのですが、その後参加国も日 本、中国、韓国だけではなくなり、規模も大きくなったので、第5回は韓 国独文学会が主催しています。第6回<アジア地区ゲルマニスト会議>を 日本で引き受けないかという提案があったのは1997年8月のソウルの 第5回会議での、韓国・中国・日本の代表者の懇談会の席上でしたが、日 本は第3回をベルリンで主催しただけで、国内ではまだ一度も開催してい ないので、今度は引き受けないわけにはいかないというのが実状でした。

 また、この会議は1991年以来3年毎なので第6回は2000年に なるはずなのですが、この年にはIVG(国際ゲルマニスト会議)がそれ も8月にヴィーンで行われるので、1999年に前倒しで開催することに なりました。開催地を福岡にすることには、中国、韓国の代表は大賛成で した。

 こうした国際的な会議をするとなると財政が問題になるのですが、DA ADから相当額の援助をするという内示があり、学会からも国際交流事業 費(年額50万円)の残額を3年間積み立てて費用の一部にあてることに し、さらに学術振興会に<国際研究集会>の申請を出しています。なお、 九州産業大学では無償で会場を貸していただけることになり、大変感謝し ております。

 <アジア地区ゲルマニスト会議>はドイツと日本以外のゲルマニスティ クにも開眼する良い機会になると思います。この会議はIVGとも違い、 アジア地区の研究者が一堂に会するので、ディスカッションでも多様な発 言のなかにどこか共通な発想が感じられ、ドイツの文学や文学研究にわれ われが感じるある種の疑問や違和感が、他のアジアの研究者にも共有され ていることがわかったりすることもあり、洋の東西のものの考え方の相違 の一面がふいにはっきりしたりする面白さがあります。また - これは ゲルマニスティクに直接関係することではありませんが - ドイツ人と は会ったり話したりする機会はあっても、近隣のアジアの人々とはドイツ で偶然出会うのでもなければ殆ど交渉がないというのが、われわれの現実 ではないでしょうか。<アジア地区ゲルマニスト会議>はこうした、不自 然な現実を補正する機会にもなると思います。

 今回の<アジア地区ゲルマニスト会議>はSchwellenueberschreitungen というテーマで、約150人の参加者が次の6セクションに分かれて報告 とディスカッションをする計画になっています(報告の数は72を予 定)。どうか皆様ふるってご参加ください。

  1.  Universalismus und Regionalismus
  2.  Genderprobleme
  3.  Zeitliche Schwellen
  4.  Grenzziehungen und Grenzverschiebungen in Literatur und Literaturwissenschaft
  5.  Forschungen zur deutschen Sprache in Asien
  6.  Schwellenueberschreitungen in der Sprachlehrforschung und -praxis
 現在東京と福岡に実行委員会ができています。  なお、参加希望の方あるいは関心をお持ちの方は、下記のメールアド レス または学会本部の「アジア地区ゲルマニスト会議実行委員会」宛にその旨 ご一報いただければ、7月中旬以後、セクションのテーマについての詳細 や招待講師名等を記載した Vorprogramm をお届けします。最終的な参加 申し込みの締め切りは10月末日を予定しています。随時この欄で新しい 情報をお知らせしますので、ご関心の向きは時々チェックしてくださるよ うお願いします。

メール:asia-germ_at_hc.cc.keio.ac.jp

1998年7月6日
日本独文学会理事長 恒川隆男